成人式や大切な式典で美しく装いたいと考える、繊細で着物に対する愛着とこだわりを持つ女性にとって、振袖に化粧汚れが付いてしまうのは、悲しい出来事です。
せっかくの晴れ舞台を、心から楽しむためには、事前に化粧汚れの落とし方を理解しておくことが大切です。
この記事では、振袖に付着した化粧汚れを安全に、かつ効果的に落とす方法と注意点について解説していきます。
□振袖に化粧汚れが付くと大変!
振袖を着用する場は、華やかなイベントや大切な式典など、特別な機会が多いですよね。
そんな特別な日に、せっかくの美しい振袖に化粧汚れが付いてしまうのは、本当にショックです。
化粧汚れは、水に溶けない油性の成分で構成されているため、水だけではなかなか落ちません。
むしろ、水でこすってしまうと、汚れが繊維の奥に入り込み、シミになる可能性も。
特に、ファンデーションやリップは、油分が多く、繊維に深く染み込みやすいので、注意が必要です。
ファンデーションは、顔全体に塗るため、襟元や袖口に付着しやすいだけでなく、皮脂や汗と混ざり、放置すると雑菌の繁殖にもつながります。
リップは、食事や会話の際に、どうしても衣服に付いてしまうことが多く、鮮やかな色が目立つため、より注意が必要です。
また、振袖は繊細な絹素材で作られているものが多く、水に弱い性質を持っているため、水で洗うことはできません。
水で洗おうとすると、生地が傷んでしまい、せっかくの振袖が台無しになってしまうこともあります。
□振袖の化粧汚れを家庭で対処する方法
振袖の化粧汚れは、諦めなくても大丈夫です。
適切な方法を用いれば、家庭でも安全に化粧汚れを落とすことができます。
*振袖の化粧汚れの落とし方
ファンデーション汚れを落とすには、油溶性の性質を持つ「ベンジン」や「アルコール」が効果的です。
ベンジンは、揮発性が高く、油分を溶解する性質があるため、ファンデーション汚れを落とすのに適しています。
アルコールも同様に、油分を溶解する性質があり、かつ揮発性も高いため、安全に汚れを落とすことができます。
ベンジンやアルコールは、薬局やドラッグストアで購入することができます。
シミ抜き用のベンジンは、洗濯用洗剤コーナーで販売されていることが多いです。
アルコールは、消毒用・医療用として販売されている「エタノール」を使用できます。
振袖の化粧汚れを落とす際は、以下の手順に従い、安全に作業を行うことが大切です。
1:用意するもの
・ベンジンまたはアルコール
・ガーゼ(アルコールの場合はコットンでもOK)
・白いタオル(汚れても良いもの)
・マスク(ベンジン等の吸引防止)
・作業用ゴム手袋(手荒れ防止)
・和装用ハンガー
2:作業手順
振袖を広げ、汚れのある部分の裏側にタオルをあてます。
ガーゼにベンジンまたはアルコールを染み込ませます。
汚れのある部分をガーゼで軽く叩き、汚れを移し取ります。
常にガーゼのきれいな面が布地にあたるように、ガーゼを動かします。
汚れが目立たなくなったら、新しいガーゼにベンジンまたはアルコールを含ませ、濡れた部分と濡れていない部分の境目をよく叩き、輪郭をぼかします。
和装ハンガーに振袖をかけて、よく乾かします。
3:作業時の注意点
作業を行う際は、以下の点に注意しましょう。
ベンジンやアルコールは、着物を変色させる可能性があります。
必ず目立たない部分で試してから、全体に使用しましょう。
ガーゼやコットンで強くこするのは厳禁です。
生地が傷む原因になります。
ベンジンやアルコールを使用する際は、換気を十分に行い、吸い込まないように注意しましょう。
また、作業後は、手をよく洗い、残ったベンジンやアルコールは、密閉容器に入れて保管しましょう。
□まとめ
振袖の化粧汚れは、適切な方法を用いれば、家庭でも落とすことができます。
ベンジンやアルコールを使用する際は、安全に作業を行うことが大切です。
事前に、目立たない部分で試してから、全体に使用しましょう。
また、換気を十分に行い、吸い込まないように注意しましょう。
これらのポイントをしっかり守れば、大切な振袖を美しく保つことができます。
帯広周辺で振袖に関して気になることがございましたら、お気軽に当社までご相談ください。